【モラルハラスメント】の定義(厚生労働省)、代表例・事例集・違法性・対処法


モラルハラスメントについて

モラルハラスメントとは、職場や学校、社会の中で他者に対して道徳的な価値観や行動基準を無視するような言動や行為を繰り返すことによって、被害者を傷つけたり、精神的な苦痛を与えたりする行為を指します。モラルハラスメントの例としては、仕事や学校での仕事や成績を落とすような嫌がらせ、人種や性別、宗教、性的指向などの個人的な特徴に対する差別的なコメントやジョーク、噂話、嫌がらせの電子メールやテキスト、口頭での脅迫や恫喝などが挙げられます。モラルハラスメントは、被害者に深刻なストレスや不安、うつ病、心身症の症状などを引き起こすことがあり、場合によっては、被害者が職場や学校を離れることを余儀なくされることもあります。企業や学校は、モラルハラスメントを防止するために、明確なポリシーと手順を策定し、従業員や学生に対して適切なトレーニングを行うことが重要です。また、被害者は、早期に上司や人事部、カウンセラー、弁護士などに相談することが重要です。


モラルハラスメントの特徴

モラルハラスメント(モラハラ)の特徴は以下のようになります。


継続的な嫌がらせ

モラハラは、継続的に嫌がらせを行うことが特徴です。一度の行為ではなく、長期的に続く言動や行為が多いことがあります。


権力関係が存在する

モラハラは、上司や教師などの権力を持つ人物からの嫌がらせが多い傾向があります。このため、被害者は権力者に対して言い出しにくくなることがあります。


個人的な攻撃

モラハラは、被害者の人格やプライベートな情報を攻撃することがあります。これにより、被害者は自己評価を低下させ、社会的孤立を感じることがあります。


言葉や非言語的な攻撃

モラハラは、言葉だけでなく、ボディランゲージやジェスチャー、視線、態度など非言語的な攻撃も含みます。


グループによる攻撃

モラハラは、複数の人物からの攻撃がある場合があります。この場合、被害者は社会的な孤立感を感じることがあります。モラハラは、被害者にとって深刻な精神的苦痛を与えるだけでなく、仕事や学業、日常生活に支障をきたすことがあります。これにより、被害者はうつ病や不安障害などの心身症を引き起こすことがあります。


モラルハラスメントの定義(厚生労働省)

厚生労働省は、モラルハラスメント(モラハラ)を労働災害として認定しており、企業や団体に対して、モラハラ防止策の策定と実施を求めています。また、労働者がモラハラに遭遇した場合には、相談窓口の設置や、適切な処置を講じることが求められています。厚生労働省は、モラハラを以下のように定義しています。「相手に精神的・肉体的な苦痛を与え、その人格や人格尊厳を脅かす非道な言動・行為を、職場や学校などで行うこと」この定義により、モラハラは、単なるいじめや嫌がらせではなく、被害者の心身に深刻な影響を与える行為であることが明確にされています。企業や団体は、このような問題が発生しないよう、労働環境の整備や、従業員の教育・啓発を行うことが求められています。


厚生労働省のハラスメント研修資料

厚生労働省は、企業や団体に対して、モラルハラスメント(モラハラ)防止のための研修資料を提供しています。以下は、その一部です。

・ハラスメントとは何か
・ハラスメントの定義や種類、その被害の特徴について説明する。
・ハラスメントの実態
・国内外のハラスメントに関する実態調査結果を紹介し、ハラスメントがどのような問題であるかを説明する。
・ハラスメントの法的な問題
・労働基準法や労働安全衛生法、民法などの法律に基づくハラスメントの規制について説明する。
・ハラスメントの被害者支援と職場の対応
・ハラスメントを受けた場合の対処法や、被害者支援のための相談窓口について紹介する。
・ハラスメントの防止策
・ハラスメントを予防するための対策について、人事制度の見直しや職場環境の整備、従業員の教育・啓発などを紹介する。
・ハラスメント防止のための取り組み
・ハラスメント防止のための企業や団体の取り組み例を紹介し、成功事例から学ぶことを提供する。
・これらの研修資料を活用することで、企業や団体は従業員のハラスメントを防止することができます。


モラハラの代表例

モラハラ(モラルハラスメント)の代表的な例には、以下のようなものがあります。


非難や侮辱

被害者に対して、仕事や個人的な行動について批判や非難を行ったり、侮辱的な言葉を投げかけたりすること。


無視や孤立

被害者を無視し、仕事やグループの活動に参加させないことで、孤立させること。


仕事や成績の妨害

被害者の仕事やプロジェクトの進捗を妨害したり、成績や評価を低くするような行為を行ったりすること。


噂話や中傷

被害者のプライバシーや個人的な情報を漏らし、周囲に噂や中傷を広めること。


脅迫や恫喝

被害者に対して、身体的な危害や職場や学校での地位や給与などの損失を恫喝すること。

これらの行為は、被害者に深刻なストレスや不安、うつ病、心身症の症状などを引き起こすことがあり、社会や組織の健全性を損なう重大な問題となっています。


事例集

・上司から「君は無能だ」と繰り返し罵られる。
・同僚たちから陰口を言われ、会社の飲み会に誘われない。
・上司からセクハラ的な発言を受ける。
・上司から業務外の連絡を深夜に受け、嫌がらせのように感じる。
・部下に対して、ノルマが達成できなかったために罵声を浴びせる上司。
・取引先とのやりとりで失敗があったことを理由に、上司から無茶な業務量を押し付けられる。
・学校でクラスメイトから無視される。
・教師から、授業での発言や意見が無視される。
・職場の飲み会で、過度な飲酒を強いられる。
・部下を見下す態度を取る上司。
・突然のミーティングで非難の嵐を浴びせられる。
・業務の手順に従わないと、クビにすると脅す上司。
・社内の噂話で、プライベートなことが拡散される。
・メールやSNSで、上司から嫌がらせを受ける。
・上司からの業務上の指示が、意味不明なものばかりでストレスを感じる。
・会議で自分の意見が否定され、他の人の意見ばかり採用される。
・会社の方針に従わないと、パワハラのような圧力を受ける。
・同僚から、業務上のミスを公然と指摘される。
・退職を考えていることを上司に伝えたら、担当業務をすべて外される。
・長時間労働が常態化し、上司からは「やる気がない」と罵られる。


モラルハラスメントの違法性

日本においては、モラルハラスメント(モラハラ)は法律的に明確に禁止されているわけではありませんが、労働者の健康や心身の安全を保護するための法的措置があります。例えば、労働基準法においては、労働者の安全や健康を害する行為を禁止しており、モラハラが労働者の安全や健康に影響を与える場合には、違法となる可能性があります。また、最近では、労働者の人格的尊厳を保護するために、モラハラ防止のためのガイドラインが策定されたり、企業や団体が自主的にモラルハラスメント防止のための方針を設定することが増えています。従業員がモラハラを受けた場合、企業や団体が適切な対処をしない場合には、損害賠償請求や労働審判、民事訴訟などで違法行為として認定されることがあります。つまり、モラルハラスメントが法律的に違法であるかどうかは、具体的な状況によって異なります。しかし、労働者の健康や人格的尊厳を保護するために、モラルハラスメントに対しては企業や団体が積極的に対処することが求められています。

関連コンテンツ

【ハラスメント】の種類



ハラスメントを受けた場合の対処法


証拠を残す

ハラスメントを受けた場合、どの様な被害にあったかが重要になります。客観的な証拠(録音・証言)等は、どの様な場合にも役に立ちます。先ずは落ち着いて事実関係を整理する様にしてください。いつ、どこで、誰に、何をされたか、目撃者(証言者)は居たか等、詳細に記録を残す様にしてください。


周囲に相談する

ハラスメント問題は我慢すると悪化する可能性があるため、一人で抱え込まず、同僚や上司に相談することが重要です。この様な行動により、加害者が自身の行動を自覚し、問題の解決につながることがあります。


会社の窓口や人事担当者に相談する

上司に相談できない場合は、人事部や社内の相談窓口を利用しましょう。組織は、相談者が不利益を受けないようプライバシー保護に配慮する責任があります。


外部に相談する

社内で解決が難しい場合、全国の労働局や労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーを利用するのがおすすめです。これらの窓口は無料で相談を受け付けており、電話での相談も可能です。


弁護士に相談する

外部機関に相談しても解決しない場合は弁護士に相談するのも一つの方法です。

【労働問題】で【弁護士】を探す・見つける方法


転職する

パワハラが発生する様な会社は、会社の考え方自体も古く、パワハラの認識が無い会社もあります。このため働く環境として適していない可能性があります。ハラスメントをやめさせる行動と並行して転職活動を行うのがおすすめです。

関連コンテンツ

【成功する転職のやり方】
【年代・業種別】【転職エージェント】人気おすすめ【ランキング】20代・30代・40代・50代


まとめ

いかがでしたか。今回はモラルハラスメントについてご紹介させて頂きました。